コゴリオン

最近はラブライブサンシャインとか嵌まってる。ハースストーンと東方は今も好き

函館ユニットカーニバル感想 ~北の大地で雪に飲まれる~

 というわけで函館UCに行ってきた感想です。
 とにかくねえ、純粋に楽しいイベントでした。参加条件がハードであるため、みんな真剣に見に来ているので会場の雰囲気も良いし、1stのような独特の緊張感も無ければ2ndのように規模に圧倒されることも無い。それでいながらテンションは常にMAX。演者も雰囲気が違って楽しそうだし、本当に良いイベントでした。
 どれだけ良かったか語ります。Saint Snowが多めで、逆にAqours側ユニット達の話は少なめです。おおよそ彼女らが凄いことは既に思い知らされているし、多くの素晴らしいレポーターの皆様が語ってくださっているので。
 

 

 
・統一感は没入感
 UCのどこが楽しかったかについて語るため、少し自分の嗜好について語らせて欲しい。
 ゲームでもアニメでも、僕はその作品に没入するための「統一感」を重視する。この統一感とは、簡単に言えば1.作品内でいかに「外部」を感じさせないか+2.内部の「シンボル」を感じさせられるか、という性能である。前者の方は分かりやすい。「ゴミを夢のかけらと呼ぶ」「外が見えてしまうので観覧車を置かない」などのディズニーランドが良い例。後者は、その作品らしさをどれくらい生み出せるかを表しており、例えると「逆転裁判の効果音」「ラブライブのロゴのフォント(ネオプラスと呼ばれるフォントだ。安いよ)」「任天堂系ゲームのボスに体力ゲージが無いシステム」とか、そういう細かいところで顔をのぞかせる『らしさ』がたまらなく好きなのだ。細部に宿る作品らしさが、製作者の妥協のなさであり、一瞬で作品に没入するスイッチになる。
 だから僕は、函館UCのためだけにオープニング映像を作り、Self Controlミックスし、スロット映像のエフェクトを普段のサンシャインアニメではまず見られないような作画にしてくれたことが叫びたくなるほど嬉しかった。叫んでいたかもしれない。普段のライブとは全く違う怪しげで反体制的な雰囲気が、真っ赤なビームライトと共にあのホールを満たしていた。これが興奮せずにいられようか。
 同時に、「流石にこれはないだろ……」と思っていたカーニバルマスクにも説得力が出てきた。なるほど、次に誰が歌うのか分からない。暗闇のホールの中でくるくると出番が変わり競うように歌うアーティスト達。仮面舞踏会にふさわしいじゃないか。もうなんかこの演出だけで現地に来た意味あったなと、変に感動してしまった。
 しかも一発目がSaint Snowとは、憎いことをしてくれる。
 
Saint Snowすげえ
 とにかく、鹿角聖良役の田野アサミさんが美しかった。
 鹿角聖良というキャラクターは、アニメ1期でも2期でもセリフは多くなかったし、ストーリー上に大きく絡んできたのは妹の理亞の方で、あくまで理亞やAqoursを見守るポジションを崩してこなかった。いつの間にか千歌と仲良くなった経緯も明かされていない。
 その鹿角聖良のキャラクターについて、田野さんのパフォーマンスを見て落とし所を決めた。
 この人最強だ。
 最強というか、人生の2周目を送っているような、ある種のチートキャラに見える。
 作中で鹿角聖良がSaint Snowとしてラブライブにエントリーしたのは千歌たちと同じ時期からだろうし、同じように活動をしていた先輩もいないかもしれない。そんな中で作詞も作曲もバク転も請け負い、たった二人で東京イベントで9位をマークするって尋常じゃないスペックですよね。1期では自信家で勝利にこだわり、他人に対して挑発的で厳しい面も見えたけれど、負けても誰に当たることもなく、その結果に縋りつかずに即座に将来のことに目線を向ける達観っぷり。心技体を兼ね備えた化物だ。メンタルの強い渡辺曜、心に身体が追いついている黒澤ダイヤ、最初から輝きの正体を知っている高海千歌、スランプにならなかったのに何故かよりによってアイドルに進んだ桜内梨子――そういう、年齢に不相応なフルカンスト性能を持っているキャラクター、というのがここのところの鹿角聖良のキャラクターイメージです。
 そして、その強さこそが理亞を精神的に追い詰め、本番の失敗につながったのではないか、と解釈しています。皮肉としか言いようがない。ラブライブの審査がどのように行われているのかは不明ですが、こういう競技は往々にして、個人の力が突き抜けているグループよりも、人数が多く全体的にそつのない優等生が有利になりがちです(Aqoursがそうだと言う意味ではなくてですね)。
 聖良役の田野アサミさんはそんな聖良を体現したかのような強さを持っていた。Saint Snowとしては初のライブで、ど頭の出演なのに凄まじい歌の伸びと表情・身体の表現力。MCも笑わせてくれた。
 申し訳ないがアサミンとは呼べなかった。畏敬の念を込めて田野さんと呼んでいた。
 
 そんでもってひなひなすげえ。
 圧倒的最年少。けれども経験は充分すぎるほど積んでいる。何よりラブライブ愛は元々凄まじい。彼女は理亞が持っている強さ、カリスマ性を引き出してくれていた。ラップも滑らかで聴いていて心地よく、煽りも上手い。
 特にクラッシュマインドがめっちゃ好き。歌の聖良・踊りの理亞と分担しながら次々と展開していくのがまさにSaint Snowといった感じで、おもちゃ箱っぽい曲の雰囲気を最大限引き出していて目が離せなかった。こういうのを、普段明るい曲、勢いある曲を歌っているAqoursでやったりしたらひたすら不気味で違うイベントになってしまうだろうから、きっとSaint Snowでしか出来ない。良いものを見れた。同時に、「こんな曲やるんだ」という千歌の感想も凄く的を射ている。ラブライブの審査員が何者かは知らないけど、こんなん予選に持ってくるか普通。
 
 そして、満を持して最後に持ってきたSELF CONTROL!! この曲にはアニメ映像を当てられることをすっかり忘れてた。スモークに浮かぶ姉妹のシルエットを見た時、何故か無性に泣きたくなった。夢にも思わなかった光景を見て、驚いていたのだろう。
 実際、この曲の盛り上がりは尋常ではなかった。Wonderful RushやSuper Love Super Liveなど、インタラクティブ性が抜群に高い曲を作曲してきた河田氏の手腕はやはり凄い。会場は元々体育館に薄いマットを敷いていただけなので、Dance nowコールのたびに床がめちゃくちゃに鳴っていた。会場が比較的小さい(そもそもこの感覚がおかしい)のもあって、彼女らの支配力がホールの端から端まで及んでいた感覚がある。つまり、完全に没入できた。この記憶多分、消えないだろうな。
 Saint Snowの曲がもっと欲しい! 欲を言えば映像も! 劇場版もなにとぞ。後生だから。
 
・三人でも会場を掌握できるということ
 今回最大の収穫は、人数およびアニメ映像の演出に頼らなくても充分過ぎるほどのパフォーマンスがあると教えてくれたところだった。CYaRonもAZALEAもGuilty Kissも、もはや単体でも充分湧かせる力を安定して出してくれている。体力も表現力も全く心配がない。冬には少人数のファンミーティングも決まっている今、その足がかりとしての意味もあったんだろうなこれ。
 また今回のUCはSaint Snowのキャストを広くファンに周知し、彼女らに経験を積ませ、(恐らく)3rdに出演させる布石にする意図もあったはずだ(無かったら家で裸で暴れる)。そういった展開について大局的に見ている参謀が運営にいるのだと思う。イベントが終わった後なら何とでも言えるけど、「今後のAqoursの活動を考えた時、どんな支援をする必要があるか」って考えた結果「必要なのは終始少人数でやるライブ経験とSaint Snowとの共演だ。しかしその場合、Saint Snowキャストの知名度向上及びライブ経験も必要となるだろう。これらの課題をクリアするにはライブ系のイベントを開催しなければならないが、ファンにとって新鮮で楽しいものであるという前提は崩せない」という結論を経て「函館でユニットカーニバルをやる。その主催者をSaint Snow名義にして、キャストをラジオ、生放送、BD映像特典に出演させる」って発想に行き着くの相当難しいと思いますよ。しかもこのスピードで。
 
・推しについて
 あんちゃんはいつも可愛いですけどなんかいつもより可愛くなかったですか? いや、顔とかじゃなくて雰囲気がいつもと違った。これ、見た人なら分かるはず。何で? Aqoursとしての活動じゃないからリーダーの重荷を降ろすことが出来てああなった? 個人イベントを乗り越えて役だけでなく自分自身を表現する能力も身につけた? 蟹を一杯食べた結果?
 理由は何にせよ、推しの魅力が増すのはこの上ない喜びだ。
 歌も相変わらず、「歌う」というよりは「歌を演じる」という声の出し方で、千歌を身近に感じられてとても嬉しい。
 あんちゃん推してて良かった(n回目)。そしてこの人を応援してくれる人がもっと増えて欲しい(n^2回目)。
 伊波杏樹a.k.aあんちゃん。皆さんもBDで検証してみてください。
 
・その他思ったこと
 どのメンバーもかっこいいところ可愛いところが多すぎて書き切れない。朱夏のダンスは言うまでもないしりきゃこが相変わらずマイペース(必ずしもペースが遅いという意味ではない)で腹抱えて笑ったしありしゃセクシーだしあいにゃの北海道エピソード可愛いしきんちゃん観客の反応引き出すの上手いしふりりん歌にも踊りにも細部まで表現力が宿ってきているし……
 驚くべきことにライブレポートを読む人間の9割が既にライブもしくはライブビューイングもしくは他のライブレポートを見ているという結果が出ている(独自調査)ので、これについては各人自分の心の中にいる推しを思い返した方がより幸福になれるでしょう。
 あえて書くなら、特に印象的だったのはあいきゃん。フィーバーダンスもう一回見られて本当に良かったし、ストトラで羽根演出が出来て本当に良かったね……ダンスも歌もファンサービスもハイレベルなのに未だいじられキャラっていうギャップがヨハネらしいやん。そういうところが好きよ。
 あと本当にSaint Snowの二人をハグしたいがためだけに突然コーレス入れてくるすわわのブレなさ好きよ。
 
・推しについて2
 あんちゃんの最後の挨拶(「Saint Snowがいなければこのライブは実現できませんでした。ありがとうございました」)でさ-。田野さんが感極まっているのを見てぐっときたよね。ベテランでも舞台慣れしていても、輝いている限り青春だよ。あんちゃん推してて良かった(n+1回目)。そしてこの人を応援してくれる人がもっと増えて欲しい(n^2+1回目)。
 
・感謝
 もう本当最高だったし、没入感という意味では過去の公演と比較してもトップクラスだった。最後列だったお陰で後方を気にせずに腕を振れたというのもあると思う。
 キャスト、スタッフの皆さん。隣の参加者さん、もう本当にありがとうございました。良い思い出が出来ました。
 
 レポート書くの苦手とか言っておきながら書いてみればそこそこの文字数で書けてますね。これだから信用できない。